広島大学FE・SDGsネットワーク拠点(NERPS)

第5回NERPS国際会議「NERPS 2026 CONFERENCE in Tokyo 」


NERPS 2026 Conferenceが東京の国連大学で開催されました

NERPSは、今年、5回目となる国際会議を開催しました。会議は2026年3月4日から3月6日までの3日間、東京の国連大学で行われました。今年は、「平和と持続可能性に向けた多国間主義の強化におけるテクノロジーの活用」をテーマに開催され、世界中の研究者・実務家・政策関係者が集いました。

オープニングセッションでは、国連大学学長で国連事務次長のTshilidzi Marwala氏、広島大学理事・NERPS拠点長の金子慎治教授による開会挨拶が行われました

第5回NERPS国際会議「NERPS 2026 Conference」を開催しました

Tshilidzi Marwala氏

金子慎治教授

基調講演では、ストックホルム環境研究所のMåns Nilsson氏と、Reach Alternatives (REALs) 理事長の瀬谷ルミ子氏が登壇しました。Måns Nilsson氏は、安全保障と持続可能性の相乗効果に着目する重要性を強調し、長期的な戦略的投資と政治的コミットメントの重要性を指摘しました。瀬谷ルミ子氏は、「Do no Harm(害を及ぼさない)」アプローチの観点から、紛争予防や人道支援において平和構築を支援する際に「デジタルトラップ」を回避する重要性について述べられました。

Måns Nilsson氏

瀬谷ルミ子氏

両基調講演は、環境危機や武力紛争といった現代の地球規模課題に対処するためには、先進的なガバナンス、倫理的基準、そして平和・安全保障・持続可能性に対する継続的な取り組みが不可欠であることを示しました。また、これらの示唆は、責任あるテクノロジーの活用と政策イノベーションが、平和と持続可能性の推進に向けた多国間アプローチをいかに強化し得るかについての議論を喚起しました。

本カンファレンスには、37カ国・152の大学、研究機関、NGOから、研究者・実務家・学生合わせて322人の方々にご参加いただきました。また、21名の学生に対してカンファレンス奨学金が提供されました。

また、63セッションが9つのパラレルセッションとして実施され、対面およびオンラインによる口頭発表が242件、ポスター発表が22件行われました。さらに、ラウンドテーブルやワークショップも開催されました。

3月6日に行われた閉会式では、カンファレンス共同議長である広島大学のDahlia Simangan氏より、学生部門及び一般部門における最優秀発表賞および最終修論文賞が授与されました。受賞者は、NERPSコアメンバー、カンファレンスの科学委員会メンバー、および各セッションのリーダーによる審査を経て選出されました。

一般部門の最優秀発表賞は、Muhammad Badrul Hasan氏(ダッカ大学)、Kumar Tusharkanti氏(京都大学)、Alma Jeftic氏(ジュネーブ大学)が受賞しました。学生部門では、Renz Prudenciado氏(アジア工科大学)、Norsheranesah Binti Abdul Mutalib氏(マレーシア・サバ大学)、Do Nguyen Thanh Nhan氏(立命館アジア太平洋大学)が同賞を受賞しました。

また、一般部門の最優秀論文賞は、Barbara Monticelli氏(IULM大学)、Julia Mori Aparecido氏(サンパウロ州立大学)、Ricardo Medina氏(トロント大学)が受賞しました。学生部門では、Nadia Hussain氏(広島大学)、Endriana Prasetyawati氏(国連大学 環境・人間の安全保障研究所)、Balinskaia Aleksandra氏(金沢大学)が最優秀論文賞を受賞しました。

NERPS 2026 Awardees 

カンファレンスの統括の中で、Tshilidzi Marwala教授は、NERPS2026の広範な影響と、地球規模の目標に向けた協働を導く役割について言及しました。また、本カンファレンスを通じて築かれた関係性を今度も発展させていくことの重要性を強調し、その実りあるパートナーシップが研究及び協働の基盤となることを呼びかけました。

さらに、学術的成果を実際の政策へと結び付け、具体的な行動につなげていく必要性についても言及しました。本カンファレンスがNERPS史上最大規模で成功裏に開催されたことに対し、関係者の多大な尽力を称賛し、最後にネルソン・マンデラの言葉「It always seems impossible until it’s done. (それは成し遂げられるまで、いつも不可能に思えるものだ)」を引用して締めくくりました。

閉会の挨拶において、広島大学の金子慎治教授は、NERPS 2026カンファレンスの開催を支えた多大な支援に対し、感謝の言葉を述べられました。また、タイ・バンコクのInternational Community Schoolに所属するModel United Nations Clubの生徒たちにも言及し、カンファレンス参加のために資金調達に取り組んだ高校生たちの献身的な姿勢を称賛しました。

さらに、2027年3月17日から20日にインドネシア・ジャカルタで開催予定のNERPS 2027 CONFERENCEについて、インドネシア国立研究・イノベーション庁(Badan Riset dan Inovasi Nasional: BRIN)が共催機関及び開催地となることが発表されました。あわせて、BRIN議長のArif Satria教授より、来年、ジャカルタでの開催に向けた歓迎のビデオメッセージが寄せられました。

NERPS 2026 Conference はこれらの協力機関によって開催されました。The University of Queensland, De La Salle University, Davao del Norte State College, Università per Stranieri di Perugia, Centre for Social Change, Earth System Governance, Stockholm Environment Institute, Asian Institute of Technology, Tohoku University Research Center for Policy Design, Lakehead University, Kyushu University Urban Institute, Keio University India Japan Laboratory, Benemérita Universidad Autónoma de Puebla, Thapar Institute of Engineering & Technology, and Thapar School of Liberal Arts & Sciences.

また、Columbia SPS M.S. in Negotiation and Conflict Resolution, Columbia Climate School Advanced Consortium on Cooperation, Conflict, and Complexity, and Uwezo Ugandaからの協賛も受けました。

文責:Martin Millete(英語担当学生フェロー)訳:金子美奈(日本語担当学生フェロー)