広島大学FE・SDGsネットワーク拠点(NERPS)

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全学取組実績

遺伝情報に関する研究を通じて、疾病の克服を目指します (医系科学研究科(薬)教授 紙谷浩之)


DNAとRNAは核酸と呼ばれる生体高分子です。核酸は遺伝情報を担うとともに、その情報発現に関与する重要な役割を担っています。当研究室(核酸分析化学)は、核酸を用いて遺伝情報に関する様々な独自の研究(オリジナリティ溢れる研究)を進めています。損傷核酸による変異・発癌機構の理解を深めるとともに、癌をはじめとする疾病の遺伝子治療・再生医療による克服を目指しています。

活性酸素によるDNAの損傷は、遺伝子変異やがんの発生と大きく関わっていることが知られています。今回、私たちは、代表的な酸化的DNA損傷である8-hydroxyguanine(8-oxoguanineとも呼ばれる)の存在により、そこから離れた部位に誘発される変異(遠隔作用変異)が、G(guanine)-A(adenine)配列のG塩基に生じることを明らかにしました。GA配列は、内在性の変異誘発酵素であるAPOBEC3により変異が生じやすいT(thymine)-C(cytosine)配列の相補配列であり、活性酸素とAPOBEC3という2つの遺伝子変異・がんの発生要因が繋がっていることを示す結果を得ました。このことは、ヒトのがんの発生機構を解明することに貢献するものです。

ウェブサイト:https://kakusan.hiroshima-u.ac.jp/

  • 投稿日:2021年4月14日

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