広島大学FE・SDGsネットワーク拠点(NERPS)

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ファッション産業によるSDGsの取り組みの発信とその課題 —デニム工場における取り組みと現状の調査—(総合科学部 准教授 的場いづみ)


「ファッションとSDGs」をテーマに特別研究に取り組む学部生の指導を担当している。文献調査では、日本におけるファッション関連企業はSDGsへの取り組みを消費者に公表してはいるものの、その内容は限定的であると判明している。デニム生産量日本一の広島県福山市の複数のデニム工場(坂本デニム、篠原テキスタイル)で聞き取り調査を2023年8月に行い、ファッション関連企業がSDGsへの取り組みを積極的に発信することの意義と難しさについての現場の考えを聞いた。

デニム糸染色を行う坂本デニムでは、電解水を使用して洗浄する技術を開発し、CO2を50%削減することに成功している。日本での染色は価格ではなく、色味や技術の高さで評価されており、エコ染色の技術を用いた糸が海外の見本市で求められるとのことであった。

デニム織布製造の篠原テキスタイルでは、残糸や規格外の生地から新たな製品を作り出すだけでなく、ビール工場で廃棄されるホップや福山で出るバラの剪定ゴミを粉砕して糸にし、デニム生地にするという試みも行っている。

ファッション産業では複数のSDGs関連の認証がある。両工場での聞き取りでは、良心的な取り組みをしていても認証を受けられない事情について説明があった。

坂本デニムでの聞き取り調査の様子
篠原テキスタイル社長による工場案内
  • 投稿日:2023年9月5日

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