広島大学FE・SDGsネットワーク拠点(NERPS)

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貧困者の<声>を傾聴できる社会づくり:貧困当事者団体「生活と健康を守る会」と連携した研究(人間社会科学研究科 准教授 佐々木宏)


貧困研究では、貧しい人々が社会へ意見表明すること、すなわち<声>をあげることの難しさが指摘されている。貧しさがそれを困難にするだけでなく、社会が彼らの<声>を無視する、時に抑え込む傾向があるためである。近年の日本を念頭におくと、生活保護利用者バッシングの盛り上がりや著名人による貧困者へのSNS上での差別的発言といった出来事を想起すればよい。貧困は人々から<声>を奪うのである。この問題を克服するために、<声>をあげる貧困当事者団体「生活と健康を守る会」と連携した研究と教育を2011年からすすめてきた。

研究活動としては、これまでに「生活と健康を守る会」の地域組織調査を実施し、貧困者が<声>をあげる際の困難を明らかにした。2020年からは「生活と健康を守る会」の運動史をテーマとし、複数の研究者による研究プロジェクト(科学研究費助成事業)に着手している。また、この調査は大学の実習型教育(広島大学総合科学部専門科目「社会調査演習Ⅰ・Ⅱ」)としても展開している。以上の活動は、研究、大学教育、当事者団体の運動、三者それぞれを活性化させており、貧困者の<声>を傾聴できる社会づくりに貢献することが期待される。

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