広島大学FE・SDGsネットワーク拠点(NERPS)

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全学取組実績

両生類の研究を通じて持続可能な研究材料の開発や食糧危機の解決に貢献(両生類研究センター 准教授 高瀬 稔)


研究材料として雌や雄を必要に応じて産生することは,場所や飼育作業時間に加えて経済的にも大きな節約になるのはもちろんのこと,生命倫理の面からも大変重要であると考える。材料には繁殖能力を持った性転換雄および性転換雌が作製可能であるXX/XY型性決定様式ネッタイツメガエル(Xenopus tropicalis)をモデルとして用い,雄および雌の機能的性転換個体を用いた人工交配を行うことによって雌集団と雄集団をそれぞれ持続的に作製する方法を考えた。これまでに雌集団および雄集団の作製に成功している。しかし,雄集団を得るために複数回の人工交配が必要なため,人工交配の回数を減らす方法を現在検討している。また,目的とする個体の選別も必要になるため,選別を無くす工夫も必要になる。この方法は,将来の食糧危機を見据えて両生類をタンパク源と考えたときにも有効になるかも知れない。この方法で得られた集団は,ホルモンに直接曝露されていないのでタンパク源としても安全であり,この方法を他種脊椎動物にも応用できれば,タンパク源のさらなる確保に貢献できることも考えられる。

  • 投稿日:2021年9月18日

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