広島大学FE・SDGsネットワーク拠点(NERPS)

NERPS初の編集書籍が出版されました


「Integrated Approaches to Peace and Sustainability」2023年1月出版

Integrated Approaches to Peace and Sustainability」は、広島大学FE・SDGsネットワーク拠点(NERPS)が開催した第一回NERPS国際学会「Hiroshima International Conference on Peace and Sustainability 2022」の成果の一つであり、NERPS初の編集書籍としてSpringer社から出版されました。 

12章から構成された本書の執筆者の多くは上記の国際学会の参加者です。編集にはNERPSのコアメンバーであるAyyoob Sharifi教授、Dahlia Simangan准教授、そしてNEPS拠点長であるShinji Kaneko教授が携わりました。以下が本書のアブストラクト(要旨)です。

アブストラクト:
平和と持続可能性は、本質的に関連しているものとして、学術的な論議の中ですでに広く認識されている。にもかかわらず、政策や実践においての平和と持続可能性への統合的なアプローチは未だ不十分である。そのため、平和で持続可能な地域社会の発展を目指した取り組みは損なわれている可能性がある。本書では、まず、平和と持続可能性の結びつきに対するアプローチが、時代とともにどのように変化してきたかを探る。次に、平和と持続可能性の複雑かつダイナミックな相互作用を示す統合的なアプローチの必要性について詳しく述べる。最後に、本書が、政治と行政、難民、メディア、女性、文化、宗教に関連する問題に焦点を当て、さまざまなレンズを通して平和と持続可能性の関係に焦点を当てていることを論じる。本書で取り上げた事例は、地域や世界の政策や実践において、平和と持続可能性をよりよく統合するためのケースを提示している。しかし、平和と持続可能性の間の関連性の動態をよりよく理解するためには、まだ多くの課題が残されている。平和と持続可能性の関連性を示す経路について、さらに検討する必要がある。例えば、環境、健康、資源、倫理、正義、経済に関する問題などである。そのため、研究者や政策立案者には、平和と持続可能性の統合のための他の機会を探るために、これらの問題についてさらに研究を進めることを私たちは推奨する。