広島大学FE・SDGsネットワーク拠点(NERPS)

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持続的なアブラヤシ生産と生物多様性保全に向けた農園内放牧の実証実験(先進理工系科学研究科 教授 保坂哲朗)


 ヤシ油は現在世界でも最も多く生産されている食用油であり、その8割以上がマレーシアやインドネシアで生産されています。しかし、原料となるアブラヤシを生産する農園(アブラヤシ園)の多くは皆伐地(対象となる森林の区画にある樹木を全て伐採した後の場所)に造成された大規模な単一植栽農園です。そこでは、大量の除草剤・化学肥料を投入するため、生物多様性の喪失や土壌の劣化が深刻であり、持続的な農園管理方法の確立が喫緊の課題です。そこで私たちは、アブラヤシ園において家畜放牧による除草を導入することで、除草剤を不使用にする方法を提案します。これにより、アブラヤシ園において一定の下層植生と土壌条件を保持し、生物多様性の保全とアブラヤシの収量を両立できる可能があります。本プロジェクトは、この可能性を実証するために、マレーシアのアブラヤシ園において家畜放牧区と除草剤使用区を設置し、大規模比較実験を行うことで、家畜放牧の効果と最適な放牧強度・家畜の組み合わせを明らかにします。本プロジェクトは、広島大学とマレーシアプトラ大学との共同研究として行っています。

  • 投稿日:2024年9月25日

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