(「2018-2019年NERPS活動報告書」掲載記事)
生理活性物質が生体内組織の「どの場所」で「どのように」機能するのかを明らかにする研究は、生命現象の解明に直結し、人類が直面する疾患に対する薬剤の開発に貢献でき、豊かな社会の形成とその持続的な発展に寄与します。本研究拠点では、「薬剤を設計し創る事ができる化学」、「光を自在に操る光物理化学」、その薬剤の薬効を「測ることができる薬理学」、そして、その薬剤を医療現場で「使うことができる生理学・医学」に精通した広島大学 の研究者を核とした世界的研究者が結集し、生理活性物質の作用機構に 関する基礎研究を精力的に実施し、近い将来社会に貢献できるドラッグデリバリーシステムを開発しています。具体的には、生体内試料の深部に到達することができる近赤外光(650 nm < hv < 1050 nm)の2光子吸収能を持つ 光解離性保護基の発色団の構造設計と化学合成を実施し、生理活性物質を光制御して発生するシステムを構築しています。このことにより、医療分野で 真の意味で社会に貢献することができる研究を推進しています。