(「2018-2019年NERPS活動報告書」掲載記事)
本研究拠点では、マイノリティの人々にマジョリティの人々と同等の権利と処遇を保証することだけでなく、人々の多様性(ダイバーシティ)の強みを活かし、 組織や社会全体の革新や繁栄に結びつけることを目指した理論的(基礎的) 研究及び実践的研究を学際的に進めています。主としてジェンダー、障がい、 及び民族・文化という3種類の属性におけるダイバーシティ&インクルージョン に焦点を当て、これらに関する研究知見を統合的に俯瞰することによって、どの属性のダイバーシティ&インクルージョンにも共通する法則性と属性固有の 法則性の発見を目指しています。
SDGsは「地球上の誰一人として取り残さない(leave no one behind)」こ とを目指しており、この目標はまさに当研究拠点が目指す方向性でもあります。 特に、当研究拠点は、日本における達成度の低さが問題視されている「目標5.ジェンダー平等の実現」や「目標10.人や国の不平等をなくす」ための取り組みに貢献する知見を提供することを目指し、心理学、文化人類学、ジェンダー学、 教育学、経営学といった多様な分野から学際的研究に取り組んでいます。また、企業との連携によって女性の昇進意欲の抑制・促進要因に関する実証 的研究を進めると共に、広島県内の研究者や行政関係者と共に「多文化共生問題研究会」を立ち上げるなど、現場で実践に携わる人々との研究も進め ています。
今後は、ジェンダー平等や多文化共生の実現に向けて、実効性のある介入研究を実施することを目指しています。