近年、仮想現実(virtual reality: VR)は様々な分野で用いられ、医療でも教育用や手術前のシミュレータとして活躍することが期待されています。我々は、画像下での血管内治療を専門としていますが、その教育用VRシミュレータを企業と共に開発しました。VRゴーグルとコントローラを身につけ、仮想世界の血管造影室でカテーテルを動かしたり薬剤を投与したりすることができます。現在、肝臓癌に対する動注化学療法と外傷の骨盤内出血に対する止血術が施行可能です。すでに学生実習に用いており、術者体験によって能動的な学習をすることで理解を深めてもらっています。この開発は文部科学省の「デジタルを活用した大学・高専教育高度化プラン」の取組の一つとして進めました。画一的な教育効果も期待され、新たな医学教育の形を目指して進めていきます。