Computed Tomography (CT)は疾患の診断能が高く現代医療においてはなくてはならない検査の一つです。一方で、CT検査は放射線検査の中では撮影に必要な放射線量が比較的多い検査であり、繰り返しCT検査を行う患者さんでは人体への放射線の影響が懸念されています。
放射線診断学研究室は、キヤノンメディカルシステムズと共同して、人工知能の一種である深層学習を応用したCT画像再構成アルゴリズム(CT画像を作成する数学的手法)を開発しました。これは、Advanced intelligent Clear-IQ Engine (AiCE)と名付けられて実用化され、実際の診療現場においてCT検査の放射線量の低減に大きく貢献しています。AiCEを使った広島大学病院におけるCT検査では、全国の標準的なCT検査よりも8-55%の放射線量が少なくなっています。