広島大学FE・SDGsネットワーク拠点(NERPS)

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漁業者と共に海底を耕し、海の生態系や水産業を守る!(統合生命科学研究科 特任助教 小原静夏)


海底耕耘とは、専用の耕耘具や底曳網漁の漁具などを用いて海底を耕すことを指し、もともとは海底に酸素を供給し、エビやカニなどが生息する海底の環境を改善しようとする事業である。私はこの海底耕耘の更なる可能性に着目し、広島県沿岸域(広島湾・備後灘)にて2015年以降毎年、地元の漁業者や行政の協力のもと、耕耘前後の環境やプランクトンを調査している。その結果、本来の底質改善の効果以外に、栄養塩の巻き上げ、魚介類の良質なエサとなるケイソウの増加、ケイソウによる基礎生産力の上昇などの効果を実証した。これらは海洋生態系の保全や漁業生産量の上昇に寄与し、海の豊かさを守る沿岸域の管理手法の一つとして活用できる(ターゲット14.2)と考えられる。

【本研究の成果】S. Ohara, et al. The effects of sea-bottom plowing on phytoplankton assemblages: a case study of northern Hiroshima Bay, the Seto Inland Sea of Japan. Frontiers in Marine Science202310, 1222810. DOI: 10.3389/fmars.2023.1222810

  • 投稿日:2023年8月23日

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