図A:SDGsへの貢献度(=SDGsに関連する教員のAKPI®値)(2018年) ※【 】内の数値は、関与している教員数を示す。
図B:SDGsへの貢献度(=SDGsに関連する教員のAKPI®値)の経年変化(2012~2018年)
広島大学では、広島大学の教員がSDGsのどのゴールに貢献しているのか、どの専門性をもって活動しているのか、を学術論文のキーワード情報を用いて把握するとともに、把握した情報と本学が独自に開発したAKPI®(Achievement-motivated Key Performance Indicator(目標達成型重要業績指標))を組み合わせて、教育活動や社会貢献活動等を含めたより広い視点で教員の活動を捉えるという試みを行った。AKPI®の概要はページ下部を参照。
具体的な算定方法
①著者に広島大学教員(2018年5月1日現在在職者)が含まれる2018年発行のScopus論文とSDGsキーワードリスト(Sustainable Development Solutions Network(SDSN)提供※1)を突合し、論文毎のSDGsへの関与を明らかにした上で、論文を書いた著者がどの論文でどのSDG項目に関係しているのか、関与割合を明らかにした。
②①の教員毎のSDG項目の関与割合を2018年のAKPI®の項目毎のポイントに掛け合わせ、17のSDG項目に振り分けた。(ある教員の17のSDG項目のAKPI®ポイントを合計すれば、その教員のAKPI®の合計値と同じになる。)その上で、17のSDG項目に振り分けられたポイントを項目毎に合計し、それに関与している教員数で割って一人当たりの平均値として算出した。上記の方法で、可視化した表が図Aである。この図を見ると、次のことが分かる。
・関与している教員が多いSDG_№は、SDG_02(272人、349.1P)、SDG_15(227人、380.4P)、SDG_10(133人、272.0P)、SDG_03(131人、329.7P)、SDG_13(73人、408.8P)の順である。
・AKPI®値の高いSDG_№は、SDG_13(408.8P、73人)、SDG_15(380.4P、227人)、SDG_02(349.1P、272人)、SDG_07(342.0P、50人)、SDG_17(340.3P、14人)の順である。
また、著者に広島大学教員が含まれるScopusの2018年発行論文と2018年5月1日現在在職の教員の情報を元に、同様の方法で2012年まで遡って、SDGsに関与している教員数と一人当たりのAKPI®値の平均値の経年変化を可視化した表が図Bである。
この図を見ると、少しずつではあるが、SDGsの専門性をもって活動している教員数もAKPI®の平均値も上昇していることがわかる。
AKPI®(Achievement-motivated Key Performance Indicator(目標達成型重要業績指標))とは……
AKPI®とは、世界top100の大学として備えているべき数値を10年後の目標値として設定した重要業績指標である。AKPI®は、5つの要素(① 授業担当(300ポイント)、② 博士人材の養成(150ポイント)、③ SCI論文数(300ポイント)、④ 外部資金受入(150ポイント)、⑤ 国際性(100ポイント))から構成され、5つの要素の合計ポイントが、平均して教員一人当たり1,000ポイントとなれば、広島大学は世界top100の大学となっていることを表している指標である。詳しくは、広島大学のホームページをご覧ください。 |
※1 http://ap-unsdsn.org/regional-initiatives/universities-sdgs/