2015年において73億人の世界人口は、2050年までには90億人を突破すると予想されています。それに伴う世界規模での食糧危機は、作物生産にさらなる収量増大と安定化を迫っています。更にCOP21による宣言では,世界共通の長期目標として地球平均気温上昇を抑える努力追求が挙げられており,CO2を含む温室効果ガスの排出削減が求められています。
植物の光合成はCO2の吸収源かつバイオマス生産の源であり,光合成能力の増強は上記問題解決方法の一つと考えられています。光合成には多くの律速段階が有り,光合成の光エネルギー変換効率はわずか数パーセントであり,このことは光合成の効率を上昇させる理論的余地が多く残っていることを示しています。
我々の研究室では,遺伝子改変技術やケミカルバイオロジーの手法で光合成活性と植物バイオマスの上昇に成功しました。2022年度からは企業との共同研究でバイオマス発電で生じたCO2を回収・利用することでカーボンニュートラルへの貢献を目指しています。
また,植物生理学Bと分子形質発現学Bの授業で光合成のメカニズムの講義を行っています。