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西日本豪雨災害が医療や介護の現場に与えた影響のデータ研究(医系科学研究科地域医療システム学講座 寄附講座教授 松本正俊)


地球レベルの気候変動により近年我が国では豪雨災害が多発しています。2018年に広島県を中心に発生した西日本豪雨は、被害額では東日本大震災に次ぐ歴代2位の規模の自然災害です。

本研究ではこの西日本豪雨災害が医療や介護の現場に与えた影響を、厚生労働省の許可のもと、医療レセプトや介護レセプトのデータを用いて調べています。この豪雨災害によって認知症治療薬の処方が増加したこと、高齢者の認知機能が低下したこと、認知症に用いられる漢方薬の一種である抑肝散の処方が増加したこと、睡眠剤・精神安定剤の処方が増加したこと、片頭痛治療薬の処方が増加したこと、過敏性腸症候群治療薬の処方が増加したこと、介護保険サービスの量と利用額が増加したこと、介護保険利用の中断(死亡や入院)が増加したことなどを報告しました。

これらの結果は、すべての国々において、豪雨災害時に起きうる保健医療ニーズの変化を予測し、強靱性(レジリエンス)及び適応力を強化するための施策を実施する際の基礎データとして活用されることが期待されます。

ウェブサイト:https://cbms.hiroshima-u.ac.jp/scholarship.html

  • 投稿日:2022年8月31日

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