近年、人工知能(AI)の発達に伴い、様々な事象がAIによって取り扱われ、文理を問わずどのような分野で活動するにしても、AIの知識を身に着けることが必須になってきている。例えば、AIの統計技術を利用して顧客の購入傾向を分析し、それに応じて宣伝や商品企画をしたり、画像認識を生かして不良品の検査を行ったりするなど使用用途は多岐にわたる。加えて、文部科学省は、Society5.0(超スマート社会)に向けた国立大学の改革方針として、学部を問わず全学生にAIの知識を身に着けることが打ち出され、AIは文理の垣根を越えて必要とされている。
しかし、在学中にAIの知識を身に付けるためには、難解な専門書を繰り返し読み込む必要があり、教材は難しい専門用語により記述されているため、初学者にとって正確な知識を身に付けることが難しい。更に、AIに関する仕組みを表現するために、線形代数学や統計学等の数学の知識が前提としていることが多く、AIの学習を志す特に文系の学生にとって大きな障壁である。
このような問題を克服するため、AIに関心のある文理の学生が集まり、学生自らAI教材の作成に取り組くむ.これにより,AIの学術的理解を深めるだけでなく,学生と教員(専門家)双方の立場を理解し,立場を越えた新しい教育教材の開発基盤を追求する。