広島大学FE・SDGsネットワーク拠点(NERPS)

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学術的な活動や文化活動に着目した行政や政党の運動の相対化(人間社会科学研究科 教授 水羽信男)


広島市と長崎市の戦後史は、当時の国際関係、とりわけアジアにおける冷戦構造のなかで考察する必要がある。とういうのは、アジアでは朝鮮戦争やベトナム戦争など、凄惨な戦争を含みながら冷戦構造が形成され、こうした国際環境のなかで広島市や長崎市も生活を再建し、原爆の被害からの復興を進めざるを得なかったからである。

具体的な研究に際しては、行政や政党の運動を相対化するために、学術的な活動や文化活動に着目する。たとえば広島大学総合科学部を創設した今堀誠二ら大学人の活動や、長崎大学や広島大学の教員たちも積極的にかかわった市民文化サークルの活動などを分析の俎上にあげる。そのことを通じて、これまでの議論がともすれば、政治的な言説に偏りがちであったことを是正し、改めて平和の問題について理解を深めたい。

なお本研究は総合科学部の「総合科学推進プロジェクト」の1つであり、メンバーは水羽の他に科学史の中尾麻伊香、日本研究の中村江里の2名である。

叢書インテグラーレ 019『ヒロシマ平和学を問う』

正誤表:https://www.maruzen-publishing.co.jp/fixed/files/pdf/304011/errata_pdf_304011.pdf

  • 投稿日:2021年9月8日

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