自身が研究代表者となっている科学研究費基盤研究(B)「ダイバーシティ社会における包摂性概念の精緻化とその機能の検討」(2021~2024年度)が採択された。SDGsでは「地球上の誰一人として取り残さない(leave no one behind)」ことが誓われており,多様な人々をどうすれば包摂し,その能力を活かせるかという問題に高い関心が寄せられている。しかし,包摂性(Inclusion)の概念と効果に関する社会心理学的研究は世界的に見ても極めて少ない。本研究は,包摂性の構成要素を明らかにすると共に,包摂性が個人と集団に及ぼす影響を実証的に明らかにすることを目的とする。人は職場や学校,地域社会においてどのような要素が揃えば包摂されたと知覚するのか,また包摂性はDiversityの高い集団でどのように機能するのかを明らかにすることによって,Diversity社会を人々にとって幸福かつ有用なものにするための知見を提供することを目指す。