人類は、産業、医療、農業等の多くの分野で放射線利用による多大な恩恵を受けているが、その安全利用の為には、放射線被ばくによる健康影響の解明が不可欠である。特に、科学的知見に基づいた低線量・低線量率放射線被ばくによる発がんリスク評価は重要となっている。
そこで、我々は、放射線発がんに高感受性を示すモデルマウスを開発し、低線量・低線量率放射線発がん感受性、放射線被ばく時年齢の影響、線量率効果とその機構解明を目指している。我々の研究結果は、放射線の安全利用に貢献できるだけでなく、福島原発事故以降、放射線の人体への健康影響が懸念されているが、その社会不安低減化にもつながると期待できる。