原爆放射線医科学研究所附属被ばく資料調査解析部では2020年にクラウドファンディング「原爆被爆者の記録を後世へ:標本データベース化プロジェクト」を実施し、多くの方からご支援を得て目標を達成することができました。これを受けて現在、劣化の危機にある原爆被爆者の方のスライド標本について、後世に継承するために、デジタル化した上でデータベースとして整備しており、2022年春にインターネットで公開する予定です。
クラウドファンディングウェブサイト:https://readyfor.jp/projects/rirbmkaisekibu(目標達成済み)
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2020年は被爆75年、広島大学医学部75年を数え、2021年は原爆放射線医科学研究所、略して原医研の設立60年でした。それらの節目を期して、原医研附属被ばく資料調査解析部では資料展示「広島大学 原医研の60年」を実施しました。パネル展示では、広島大学医学部設立期と原医研の前半期を中心に、その設立の歴史や活動を概観しました。資料の実物展示では、原医研60年ということで、貴重な所蔵資料のうち今まで公開したことのない資料の一部を特別に公開しました。コロナ流行の中で事前予約のうえ来館でご覧いただく開催でしたが、多くの方が来てくださり、ご好評をいただき、会期も延長することとなりました。まだまだ解明が終わらない原爆被爆の様相や、科学研究の研究機関での取り組みをいろいろと知りたい、という感想も頂戴しました。今後も、そういった意見を生かして取り組みたいと思います。
ウェブサイト:2020年度資料展示「広島大学 原医研の60年~所蔵資料から見る原爆放射線医科学研究所の歩み~」を開催
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原爆放射線医科学研究所附属被ばく資料調査解析部では、2019年度に、所蔵資料を中心とした展示「ヒロシマに挑む」および特別展示「秀敬氏資料」を実施しました。
前者は、原爆直後から被爆者の治療に尽力した医師たちの活躍やその後の原爆症研究を推進した広島大学医学部と原爆放射線医科学研究所の活動を紹介しました。
後者は、当時広島大学の地質学教室に在籍し、のち広島大学の教授となった秀敬氏の、爆心地付近で行った放射線の問題に関わる地質学調査の、岩石などを含む資料を紹介しました。通常は医学が中心ですが、今回は医学と理学の学術調査を組み合わせたことが特色です。また、広島大学の、現在まで続く、原爆(放射線被災)の学術研究の源流を皆様に発信しました。また、カタカナで表記する「ヒロシマ」の本来的な意味を、展示を通して今一度考えていただけたら、と、タイトルを名付けました。結果、多くの方が参観してくださり、マスコミにも取り上げられ、好評でした。
実施報告:資料展示「ヒロシマに挑む」および特別展示「秀敬氏資料」について(newsletter_Vol.7. pp.10-16参照)
広島大学原爆放射線医科学研究所附属被ばく資料調査解析部 助教 久保田 明 子