広島大学FE・SDGsネットワーク拠点(NERPS)

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全学取組実績

学生による建築設計や町の再生について企画提案(先進理工系科学研究科建築学プログラム 准教授 角倉英明)


 

建築はストックの時代である。目の前にある建物を上手につかうことが問われている。建築の開発の波が、都市郊外部に押し寄せてきたのは、高度経済成長期以降のことである。この時期、都市の拡大とともに大量消費を前提とした生活を支える流通機能の強化が不可欠となり、施設の増改築や新設が進められた。そうした動きの中で、広島市佐伯区に建設された園芸用品卸売倉庫群がある。しかし、2017年に約半世紀にわたる事業を閉じることになり、地域に愛された施設の一部をリノベーションすることで地域コミュニティ創出の核となる施設として生まれ変わることになった。
そこで本学の建築ゼミナールの授業においてワークショップを行い、建築プログラム3年生による設計提案が行われた。具体的には、当施設の3階部分に計画予定のアーティスト・レジデンスのコンペ実施のための設計要件を整理し、それを受けて自ら計画案を策定するというもので、minagartenの企画者である谷口千春氏にプレゼンテーションを行った。

過疎の進む地域では空き家が急増している。一見無駄に思える空き家も、人によっては宝物であり、使い方によっては町の再生の資源となるように、これからのまちづくりにおいて建築空間の再生が持つポテンシャルは計り知れない。個別性の高いケースを扱う建築再生の手法は帰納法的なアプローチの積み重ねにより体系化される。
そこで、大崎下島久比地区という具体的な島嶼部集落を対象にして、建築空間の再生計画やそれらを実現手法について学生自らが能動的に検討する実践を行った。具体的には、「空き家の再生」または「道路や空き地などのパブリック・スペースの活用」により、久比地区に地区外から人を呼び込む計画を策定した。計画は、建築ゼミナールⅡの授業において行われ、参加学生は学部3年生が17名であり、最終回には久比地区でまちづくり活動を行う一般社団法人まめなの梶岡氏へプレゼンテーションを行った。

  • 投稿日:2021年9月7日

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