大気中に浮遊する微粒子(エアロゾル粒子)と海洋生態系の相互作用について調べています。
エアロゾル粒子の中には、窒素、リン、鉄などを含むものがあります。これらが海洋表面に沈着すると、植物プランクトンに必要な栄養物質を海洋表層に供給し、植物プランクトンの増殖につながる場合があります。また、植物プランクトンの消長は、海水中の微量物質の濃度を変化させ、海洋起源のエアロゾル粒子の生成量や組成に影響を及ぼします。エアロゾル粒子は、太陽光を直接散乱したり、雲粒子の核として働いたりすることで、地球の「日傘」として機能します。将来の気候変化予測を精緻化するためには、地球表面の約7割を占める海洋を起源とするエアロゾルの物理・化学的特徴を知ることが必要です。このような背景から、キャンパスや沿岸サイト、船舶に大気観測装置を設置し、様々な海域でエアロゾル粒子の計測を行なっています。
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