葉野菜はわずかに黄変が起きるだけでも消費者から敬遠されることから、黄変しやすい外側の葉は食用可能であるにも関わらず出荷前に廃棄されるとともに、栄養価に大きな低下がなくともわずかに黄変すれば、販売前あるいは購入後に廃棄されている。このように葉の黄変は持続的な社会の発展の観点から問題となっている食品ロスを助長すると考えられるが、我が国では食品廃棄物に対する処理コストの半分程度は野菜の廃棄によるものとされることから、ことさら重要である。
私たちの研究室では葉の黄変を引き起こすクロロフィル分解酵素や葉の老化を促進する制御因子の突然変異体の研究を行っており、それら因子の制御による「黄変が起きにくい」野菜の開発を通して食品ロスの軽減に貢献することを目指している。