先天奇形をはじめとする先天性疾患は、新生児の死因の大部分を占める。先天性疾患の原因の1つにゲノムDNA中に生じた特定の遺伝子における変異が挙げられる。この遺伝子の変異を同定し病態解明に繋げることにより、新生児死亡率の減少に大きく貢献することが期待される。
現在、両生類研究センターでは、口唇口蓋裂、頭蓋縫合早期融合症、四肢低形成、先天性腎不全などの先天性疾患を発症する複数の患者のゲノムDNA解析から明らかになった候補遺伝子の変異について、ネッタイツメガエルとアフリカツメガエルを用いた発生生物学解析により、その意義の検証を行っている。これまでに、複数の候補遺伝子の変異が機能喪失型の意義を有する可能性を見出す成果をあげている。また、眼皮膚白皮症に加えて間質性肺炎を合併するヘルマンスキー・パドラック症候群のモデルガエルの作出にも成功している。
ターゲット3.2: 新生児死亡率をすくなくとも出生1,000件中12件以下まで減らし5歳以下死亡率を少なくとも出生1,000件中25件以下まで減らすことを目指し、 2030年までに、新生児及び5歳未満児の予防可能な死亡を根絶する。