広島大学FE・SDGsネットワーク拠点(NERPS)

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アフリカの農村における脳神経障害を抱えた人々の生態および社会的な環境との相互作用に関する研究—うなづき症候群を事例として(総合科学部国際共創学科 准教授 西真如)


うなづき症候群は、寄生虫オンコセルカへの感染にともなう脳神経障害の一種である。この寄生虫が棲息するアフリカの河川沿いの地域では、寄生虫の負荷に対する住民の脆弱性を高めるような複数の要因が同時に作用したときに、てんかん性脳症の流行がおきる場合がある。うなづき症候群患者とその家族の生活の質に寄与するため、私は仲間の研究者とともに、次の研究に取り組んでいる。

ひとつには、流行の背景にある紛争や生態環境の変化といった複合的な要因を理解することである。もうひとつは、患者とその家族を支えるケアの環境を理解することである。

人の一生は、生態および社会的な環境との相互作用の中で展開する。アフリカの農村において、脳神経障害を抱えた人たちは、どのようにして価値ある人生を実現するのかを理解することが私たちの目標である。

なお本研究は、科学研究費補助金「ウガンダ農村社会で生活するてんかん患者とその家族のための包括的ケアのモデル構築」(2018-2021年度)の支援を受けている。

うなづき症候群の流行地であるウガンダ北部の村の景観

  • 投稿日:2021年8月19日

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